育毛剤と発毛剤は併用できますか?一緒に使わない理由や切り替えのタイミングを解説

この記事では、育毛剤と発毛剤を一緒に使ってもよいのか、それぞれの違いやミノキシジル配合の発毛剤を使うときの注意点とあわせて分かりやすく解説します。「両方使ったほうがよさそう」と迷っている方は、まず使い方の基本を確認してみてください。

結論からいうと、ミノキシジル配合の外用発毛剤を使う場合は、他の育毛剤を同じ頭皮に併用することは原則として避けます。発毛剤の添付文書でも、他の育毛剤や外用剤を一緒に使わないよう案内されています。

育毛剤と発毛剤の併用は避けよう

そこで、なぜ併用を避けたほうがよいのか、育毛剤と発毛剤はどう使い分ければよいのかを順番に見ていきます。自分に合った方法を選ぶためにも、無理に重ねて使う前に違いを整理しておきましょう。

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目次

育毛剤と発毛剤の併用は原則として避ける

育毛剤と発毛剤は名前が似ていますが、同じものではありません。とくにミノキシジルを配合した外用発毛剤には使用上の注意があり、「それぞれ違う製品だから一緒に使っても問題ない」と自己判断するのは避けたほうがよいでしょう。

まず、併用に関する公的・公式情報から確認します。

ミノキシジル発毛剤は他の育毛剤との併用を避ける

PMDAに掲載されている「リアップX5プラスネオ」の添付文書では、使用中は他の育毛剤や外用剤を頭皮へ使用しないよう案内されています。

理由として、これらの薬剤がミノキシジル発毛剤の吸収に影響を及ぼす可能性が示されています。

大正製薬の公式Q&Aでも、他の育毛剤などを使用する場合はリアップシリーズの使用を中止するよう案内しており、同時使用によって吸収へ影響し、副作用の頻度が上昇するおそれがあると説明されています。

そのため、外用の発毛剤を使いながら、同じ頭皮へ育毛剤を重ねて使用する方法は避けるのが基本です。

参考:PMDA「リアップX5プラスネオ」添付文書

時間をずらして使えばよいとは限らない

「朝は発毛剤、夜は育毛剤」のように時間をずらせば問題ないのでは、と考える方もいるかもしれません。

しかし、発毛剤の添付文書は単なる「同時塗布」だけではなく、発毛剤を使用する場合には他の育毛剤や外用剤の頭皮への使用を避けるよう案内しています。

そのため、使用時間を数時間ずらすだけで併用可能になるとは判断しないことが重要です。

製品によって使用条件は異なるため、どうしても別の頭皮用製品を使いたい場合は、使用する発毛剤の添付文書を確認したうえで薬剤師や医師へ相談しましょう。大正製薬の女性用発毛剤でも、他の育毛剤や外用剤の頭皮への使用を避けるよう案内されています。

育毛剤と発毛剤の違いを3つのポイントで確認

併用を考える前に知っておきたいのが、育毛剤と発毛剤では分類や目的が異なることです。「薄毛が気になる」という共通点だけで選ぶのではなく、自分が何を目的として使うのか整理すると選びやすくなります。

以下の3つのポイントを順番に確認します。

ポイント①:分類と目的が異なる

育毛剤は一般に医薬部外品として販売されている製品が多く、厚生労働省の資料では、育毛剤は脱毛の防止や育毛を目的とする外用剤とされています。

医薬部外品で認められる効能・効果には、育毛、薄毛、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進などがあります。薬機法でも、医薬部外品には脱毛の防止や育毛を目的とするものが含まれています。

一方、ミノキシジル配合の発毛剤は医薬品です。

育毛剤は今ある髪や頭皮環境を整える目的、発毛剤は壮年性脱毛症における発毛を目的として選ばれる点が大きな違いと考えると整理しやすいでしょう。

参考:厚生労働省「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

ポイント②:期待する効果によって選び方が変わる

抜け毛を予防したい、頭皮環境を健やかに保ちたいという目的であれば、育毛剤が選択肢になります。

一方、壮年性脱毛症によって薄くなった部分の発毛を目的とする場合には、ミノキシジルを配合した発毛剤が選択肢です。

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」では、ミノキシジル外用は男性型脱毛症・女性型脱毛症ともに推奨度Aとされています。

ただし、すべての脱毛にミノキシジルが適しているわけではありません。急激な脱毛や斑状の脱毛などは別の原因が考えられるため、自己判断で発毛剤を使わないことが重要です。

参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

ポイント③:発毛剤は使用上の注意を確認して使う

市販のミノキシジル発毛剤は、製品ごとに対象者や使用方法が定められています。

例えば男性用のミノキシジル5%製品では、女性や未成年者、壮年性脱毛症以外の脱毛症がある人などを使用対象外としている製品があります。頭皮に傷、湿疹、炎症がある場合も使用しないよう案内されています。

また、高血圧・低血圧、心臓や腎臓の障害などがある人について、使用前に医師または薬剤師へ相談するよう記載された製品もあります。

「発毛剤ならどれでも同じ」と考えず、自分が使用対象に当てはまるか添付文書で確認することが大切です。

育毛剤と発毛剤を併用しない3つの理由

育毛剤と発毛剤を両方使えば、それぞれの作用を同時に得られそうに感じるかもしれません。しかし、外用剤は数を増やせばよいわけではありません。とくにミノキシジル発毛剤を使用する場合は、添付文書に従う必要があります。

併用を避ける主な理由を3つに整理します。

理由①:発毛剤の吸収に影響する可能性がある

最も重要なのは、他の育毛剤や外用剤が発毛剤の吸収に影響を及ぼす可能性があることです。

PMDA掲載のミノキシジル発毛剤の添付文書には、他の育毛剤および外用剤の頭皮への使用を避けるよう明記されています。

そのため、「成分が違うから問題ない」「乾いてから塗れば大丈夫」と自己判断するのは避けましょう。

併用したい製品がある場合は、発毛剤の販売元や薬剤師へ製品名を伝えたうえで確認するのが安全です。

理由②:頭皮への刺激が重なる可能性がある

頭皮へ使用する製品には、有効成分だけでなくアルコールなどの添加物が含まれていることがあります。

複数の製品を重ねれば、それだけ頭皮へ触れる成分も増えます。発毛剤の使用によって発疹、発赤、かゆみ、かぶれなどが現れた場合には、副作用の可能性があるため使用を中止し、医師や薬剤師へ相談する必要があります。

頭皮に刺激や異常を感じた状態で、別の育毛剤を追加して様子を見ることは避けてください。

傷や湿疹、炎症がある頭皮には発毛剤を使用しないよう案内されているため、まず頭皮の状態を整えることが優先です。

理由③:トラブルが起きたとき原因を判断しにくい

複数の育毛剤や発毛剤を同時期に使い始めると、赤み、かゆみ、フケなどの変化が起きた場合に、どの製品が影響したのか判断しにくくなります。

育毛剤同士についても、花王は製品ごとに有効成分や処方が異なるため、複数製品の併用をおすすめせず、単品で使用するよう案内しています。

効果を増やすために製品数を増やすより、使用する製品を絞り、用法・用量どおり継続することが重要です。

頭皮に異常が出た場合には使用を続けず、必要に応じて皮膚科などへ相談しましょう。

育毛剤から発毛剤へ切り替える3つの手順

すでに育毛剤を使用していて、発毛剤へ切り替えたい方もいるでしょう。その場合も、両方を重ねて使いながら徐々に移行するのではなく、現在の製品と新しく使用する製品の注意事項を確認することが基本です。

次の3つの手順で整理すると判断しやすくなります。

手順①:現在使用している製品の種類を確認する

まず、現在使っているものが医薬部外品の育毛剤なのか、医薬品の発毛剤なのかを確認します。

商品名やパッケージだけでは判断せず、「医薬部外品」「第1類医薬品」などの表示を確認してください。

育毛剤だと思っていた製品が医薬品だった、複数の頭皮用外用剤を使っていたというケースを防ぐためにも、使用中の商品を一度整理することが大切です。

薬局で相談する場合は、使用している製品名やパッケージを見せると確認しやすくなります。

手順②:発毛剤の添付文書と対象者を確認する

次に、新しく使おうとしている発毛剤の添付文書を確認します。

確認したいのは、対象となる脱毛症、年齢や性別、用法・用量、使用できない頭皮の状態、医師や薬剤師への相談が必要な条件です。

とくにミノキシジル発毛剤は製品ごとに対象者を確認し、決められた回数や使用量を守る必要があります。

「たくさん塗れば早く発毛する」と考えて使用量を増やしたり、育毛剤を追加したりせず、製品の説明どおりに使いましょう。

手順③:不安があれば薬剤師や医師へ相談する

脱毛の原因が分からない場合や、持病・服用中の薬がある場合、頭皮に炎症がある場合は、使用前に専門家へ相談すると安心です。

日本皮膚科学会では、男性型脱毛症の治療としてミノキシジル外用のほか、男性ではフィナステリドやデュタステリドの内服なども紹介しています。治療法は薄毛の種類や状態によって異なります。

自己判断で外用剤を複数追加するより、原因に合った治療やケアを選ぶことが重要です。

市販の発毛剤について分からないことがあれば、購入時に薬剤師へ相談しましょう。

薄毛の状態によっては自己判断せず医療機関へ相談する

育毛剤や市販の発毛剤は、すべての脱毛症に対応するものではありません。とくに急に抜け毛が増えた、円形や斑状に抜けている、頭皮に強い炎症があるといった場合には、男性型・女性型脱毛症以外の原因も考えられます。

ミノキシジル発毛剤の添付文書でも、急激な脱毛や斑状の脱毛がある場合は使用対象外とされています。

また、日本皮膚科学会では、男性型脱毛症と女性型脱毛症について治療方法が異なることを案内しています。女性型脱毛症ではミノキシジル外用が推奨される一方、男性に用いられるフィナステリドやデュタステリドは女性には行うべきではないとされています。

薄毛の原因が分からない場合は、育毛剤と発毛剤を次々と試すのではなく、皮膚科などで脱毛の原因を確認してから対策を選ぶことも大切です。

育毛剤と発毛剤の併用でよくある質問

育毛剤と発毛剤を使い分ける際に迷いやすいポイントを、5つの質問にまとめます。

育毛剤と発毛剤は同じ日に使えますか?

ミノキシジル配合の外用発毛剤を使用する場合、他の育毛剤や外用剤を頭皮へ使用することは避けるよう添付文書で案内されています。同じ日に時間をずらせば必ず使用できるとは判断せず、併用したい場合は薬剤師や医師へ相談してください。

朝に育毛剤、夜に発毛剤なら大丈夫ですか?

発毛剤の注意事項は、単に同時に塗ることだけを禁止しているわけではありません。他の育毛剤を頭皮へ使用すること自体を避けるよう案内されている製品があるため、自己判断で朝と夜に分けて併用しないほうがよいでしょう。

育毛剤と発毛剤はどちらを選べばよいですか?

抜け毛予防や育毛、頭皮環境を整えることを重視する場合は育毛剤が選択肢になります。壮年性脱毛症による発毛を目的とする場合は、ミノキシジル配合発毛剤が選択肢です。ただし、脱毛原因が分からない場合は医師へ相談してください。

発毛剤と育毛シャンプーは一緒に使えますか?

シャンプーは頭皮から洗い流す製品であり、頭皮に残して使用する育毛剤とは扱いが異なります。ただし、発毛剤を使用する際は頭皮を清潔に保ち、頭皮に炎症や刺激がある場合には使用を控えるなど、各製品の使用方法を確認してください。

発毛剤を使って頭皮がかゆくなった場合は育毛剤に替えてもよいですか?

発毛剤の使用後に発疹、発赤、かゆみ、かぶれなどが現れた場合は、副作用の可能性があります。別の育毛剤を重ねて対処するのではなく、発毛剤の使用を中止し、添付文書を持って医師または薬剤師へ相談してください。

育毛剤と発毛剤は併用せず目的に合わせて選ぼう

育毛剤と発毛剤は目的や分類が異なり、ミノキシジルを配合した外用発毛剤を使用するときは、他の育毛剤を頭皮へ併用しないことが基本です。PMDA掲載の添付文書でも、他の育毛剤や外用剤が発毛剤の吸収に影響する可能性があるため使用を避けるよう案内されています。

抜け毛の予防や頭皮環境を整えたい場合と、壮年性脱毛症による発毛を目的とする場合では、選ぶ製品が変わります。効果を高めようとして複数の外用剤を重ねるのではなく、自分の目的や薄毛の状態に合ったものを選び、決められた用法・用量を守りましょう。

脱毛が急激、斑状に抜ける、頭皮に炎症がある、脱毛の原因が分からないといった場合には、自己判断で育毛剤や発毛剤を追加せず、皮膚科や薬剤師へ相談してください。発毛剤を使用するときは、最新の添付文書やメーカー公式情報も確認することが大切です。

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